AIエージェントは「脳」となるコンテキスト(自身の事業・顧客・判断基準)が不足していると、以下の6つの癖が顕在化する:
結果として、この6つの癖を人間が毎回チェック・修正する構造になる。本来「自動化のため」に入れたはずのAIで、逆に人間がボトルネックになる。特に自律実行するAgent AIでは、コンテキスト欠落は雪だるま式に大きなミスに膨らむ。
本ワークシートは、この事故を防ぐために「AIが読める形」で自分の事業を先に整理するもの。26問6ブロックで自分の魂と顧客を言語化し、8ステップ表で業務プロセスを分解する。両者を併記することで、大企業向けの業務分解フレーム(5+3ステップ)と1人型起業家向けの人格・顧客言語化(26問)の両方から挟み込む形になる。
本ワークシートの各セクションと 本講義シラバスの Weekly Schedule I〜IV は、以下のように1対1対応する。受講者は「今週どのブロックを埋めるか」を明示的に把握できる。
| 本ワークシートのセクション | 対応する8ステップ表 | Weekly Schedule |
|---|---|---|
| Block 0 現状の棚卸し(Q1-4) | Step 1(AIエージェントに渡したい業務の特定) | Prerequisites(履修前提・環境構築) |
| Block 1 自分のコアコンテキスト(Q5-10) | —(人格の言語化・8ステップ表には対応なし) | Session I 魂の設計(CLAUDE.md / context/philosophy) |
| Block 2 顧客コンテキスト(Q11-15) | —(顧客の言語化) | Session I(context/persona_v1) |
| Block 3 業務フローの設計(Q16-19) | Step 2(業務ステップの分解)/ Step 3(各ステップで必要な情報) | Session II 組織化(subagent 配置設計図) |
| Block 4 AI優先順位の設定(Q20-22) | Step 4(構造化データ参照先)/ Step 5(非構造化データ参照先) | Session II Assignments(自組織を4部門/5フェーズに分解) |
| Block 5 エージェントの境界線(Q23-26) | Step 6(AI可読性チェック)/ Step 7(境界設定・3軸)/ Step 8(成果の定義) | Session III memory 5トリガー / Session IV 経営判断3軸 |
※ 8ステップ表のうち Step 1-5 は業務分解フレームを1人型起業家向けに翻訳したもの、Step 6-8 は西田が追加した拡張(AI 可読性 / 境界設定 / 成果定義)。Block 1-2 は8ステップ表に対応がないため、26問側だけで扱う。
西田自身が2026年3月〜7月にかけて実際に踏んだ「AIに事業を渡すための思考プロセス」を、26問6ブロックに構造化したもの。順序は、実運用でこの順に進めた方が詰まらないという実証からの逆算。7月熟達版では、Block 3-5 に で新たに確立した観点を追記している。
26問すべての回答が揃うと、第1回の CLAUDE.md v1(5ブロック)と context/persona_v1 + philosophy_v1 の原文がほぼ完成する。第2回以降の subagent 設計もこの回答が土台になる。
大企業向けの5ステップ業務分解フレーム(AI エージェント業界で広く使われる型)を1人型起業家向けに翻訳し、西田が実運用で追加した Step 6-8(AI 可読性 / 境界設定 / 成果定義)と統合した8ステップ表。26問6ブロックの Block 3-5 で得た内容を、この表に転記して業務ごとに整理する。
| 段階 | 段階項目 | 説明 | 1人型起業家向けの実施内容 |
|---|---|---|---|
| Step 1 |
AIエージェントに 渡したい業務の特定 |
人が介在していた業務を、AIが自律的かつ一貫して遂行するプロセスを意識して業務を切り出す。 | Block 3 Q16(成約までの流れ)/ Q18(毎月必ず発生する作業)から候補を選ぶ。まずは業務プロセスが明確でビジネス効果が高い業務を切り出す。 |
| Step 2 |
業務ステップの分解 | 人またはシステムが連携して行っていた業務を分解し、AIエージェントが実行するステップを明確にする。 | BtoB 型は 「相談 → 見積 → 受注 → 納品 → 請求」の5フェーズで分解。BtoC 型は 「取得 → 分析 → 解釈 → 戦略立案」の4フェーズ。 |
| Step 3 |
各業務ステップで 必要な情報の特定 |
分解された各業務ステップにおける必須アクションを棚卸して、業務遂行に必要な確認事項や情報を列挙する。 | 各ステップで参照する項目(顧客名 / 過去の履歴 / 契約情報 / 商品仕様 など)を列挙。26問 Block 2(顧客コンテキスト)の回答と接続。 |
| Step 4 |
データ参照先の特定 ① 構造化データ |
各業務ステップを実行するために必要な構造化データ(DBに整理された情報)の参照先を特定する。 | Notion DB / スプレッドシート / CRM / 会計ソフト / Google Calendar など。API / MCP / Computer Use の3方式判別ツリーで接続方式も決める(後述)。 |
| Step 5 |
データ参照先の特定 ② 非構造化データ |
「人が参照していた資料」など、各業務ステップを実行するために必要な非構造化データの参照先を特定する。 | PDF マニュアル / 過去のメール履歴 / 動画・音声記録 / Slack / Discord のログ など。Google Drive の永続配置・Notion 記録が主。 |
| Step 6 |
AI可読性チェック (西田拡張) |
Step 4-5 で特定した参照先が「AIから読める形」か検証する。データがAI可読でなければ、いくら参照先を決めてもAIは動かない。 | 関係性・背景・判断根拠が付与されているか? / ファイル名が意味を持つか? / 埋込画像でなく検索可能なテキストか? の3チェック。 |
| Step 7 |
エージェント境界の設定 (西田拡張) |
AIがどこまで自律で動いてよいかの境界を、経営判断3軸で定義する。 |
3軸マトリックスで判定: ・安全性軸(誤りの被害の大きさ) ・カスタマイズ度軸(業種・顧客文脈への適合度) ・人間関係価値軸(対面/人間関与の代替不可能性) 各業務ステップに ✅ 自律OK / ⚠️ 人間承認必要 / 🚫 絶対禁止 の3分類を割り当てる。 |
| Step 8 |
成果の定義 (西田拡張) |
AIが「完了」と判断する条件・品質KPI・失敗時のフォールバック・改善サイクルを定義する。 | 完了条件(例:メール送信&Notion記録の両方完了で完了)/ 品質KPI(誤字率 / 応答時間)/ フォールバック(失敗時は西田に Slack DM)/ 改善サイクル(memory 5トリガー記録)を明示。 |
「週N回」ではなく「都度」が原則。上記5トリガーの瞬間に即 memory に追記する。memory テンプレート(日付 / トリガー種別 / 学習内容 / 次の対応 / タグ)を各人が Notion または Obsidian に整備する。
受講者に近い業種例として「1人型経営コンサルタント(グループコンサル運営中)」を題材にした記入例。実際にはこのように各項目を埋めていく。
相談:無料体験セミナー LP からの申込 → Zoom 無料相談60分 → 課題ヒアリング → 提案骨子
見積:提案書作成(月次コンサル 20万〜 or グループコンサル 11万〜)→ Notion で見積書生成 → メール送信
受注:契約書送付 → UTAGE 決済導線 → 決済完了通知
納品:月次1on1 60分 × 2回 + Slack DM 無制限 + 月次レポート
請求:月末に MoneyForward で請求書自動生成 → メール送信 → 入金確認 → 領収書送付
✅ 自律OK:見積書自動生成 / 月末請求書自動生成 / Slack DM への一次応答(テンプレ範囲内)/ Notion 記録の自動整理
⚠️ 人間承認必要:提案書の骨子生成(AI下書き → 自分で仕上げ)/ 新規顧客への初回メール / 月次レポートの結論部分
🚫 絶対禁止:契約書の締結判断 / 金額変更・値引き交渉 / クレーム対応の初期応答 / 別の顧客の情報を紛れ込ませない
完了条件:MoneyForward で請求書生成 + 顧客メールへ送信 + Notion「請求管理」DB へ記録 の3点すべて完了
品質KPI:誤字率 0 / 金額誤り 0 / 送信タイミング 月末最終営業日 17:00 まで
フォールバック:MoneyForward API エラー時 → 自分の Slack DM に「請求書生成失敗・原因:…」を通知 / 手動作業に切り替え
改善サイクル:月次で memory「請求 skill 運用ログ」を確認 → 5トリガーに該当するイベントがあれば記録 → 翌月に skill 改修
本ワークシートを印刷 or PDF 化してご記入ください。回答は 第1回で CLAUDE.md / context ファイルに転写します。
Block 3-5 の回答が揃った後、業務ごとに1枚この表を埋める。複数業務がある場合は業務数分コピーして使う。
| 段階 | 段階項目 | 記入欄 |
|---|---|---|
| Step 1 |
AIエージェントに 渡したい業務の特定 |
|
| Step 2 |
業務ステップの分解 | |
| Step 3 |
各業務ステップで 必要な情報の特定 |
|
| Step 4 |
データ参照先の特定 ① 構造化データ |
|
| Step 5 |
データ参照先の特定 ② 非構造化データ |
|
| Step 6 |
AI可読性チェック | |
| Step 7 |
エージェント境界の設定 (3軸マトリックス) |
|
| Step 8 |
成果の定義 |
本ワークシートは 全4回のシラバスと1対1対応しており、記入内容はそのまま CLAUDE.md / context / subagent 設計に転写できます。
詳細は シラバス本編をご参照ください。